大型犬おすすめ10選｜飼育方法・性格・魅力をわかりやすく紹介

大型犬は、その大きな体と圧倒的な存在感で、多くの人を魅了してやみません。

寄り添ってくれるだけで安心感があり、家族を守ってくれる頼もしさも持ち合わせています。

さらに、穏やかで優しい性格の犬種も多く、家庭の中でかけがえのないパートナーとなってくれるでしょう。

しかし一方で、体が大きい分だけ飼育環境や維持費、必要な運動量など、小型犬や中型犬以上に気を配るポイントがあるのも事実です。

十分なスペースを確保できるか、毎日の散歩やしつけに時間をかけられるか、といった点をあらかじめ考えておくことが大切です。

この記事では、そんな大型犬の魅力を改めて紹介するとともに、初心者でも飼いやすい犬種から、経験者に向いた犬種まで、おすすめの大型犬10選を詳しく解説します。

性格や特徴、飼いやすさのポイントを知ることで、あなたのライフスタイルにぴったり合う犬種がきっと見つかるはずです。

大型犬の魅力とは？

大型犬と一緒に暮らす最大の魅力は、その存在感と安心感です。

体格がしっかりしている分、そばにいるだけで頼もしさを感じられ、まるで家族を守ってくれるような心強さがあります。

特に子どもや高齢の方がいる家庭では、安心感を与えてくれる大切な存在になるでしょう。

また、大型犬は愛情深く穏やかな性格を持つ犬種が多く、家族との絆を強く育むことができます。

体は大きくても心は優しく、飼い主に寄り添う姿は癒しそのもの。

抱きついたり、寄りかかったりできるのも大型犬ならではの醍醐味です。

さらに、大型犬はアクティブな生活のパートナーにも最適です。

毎日の散歩はもちろん、キャンプやハイキングといったアウトドアでも大活躍。

運動好きな方にとっては、一緒にアクティブライフを楽しめる最高の相棒となります。

大型犬を飼う前に知っておきたい注意点

大型犬は愛情深く頼もしい存在ですが、その分だけ飼育には中型犬や小型犬にはない特別な注意点があります。

飼い始めてから「思っていたより大変だった…」と後悔しないためにも、事前に理解しておきましょう。

これらを理解したうえで迎え入れることで、飼い主にとっても犬にとっても幸せな生活が実現できます。

飼育スペースと環境の確保

大型犬を飼う上で最も大切なのが、生活スペースの確保です。

小型犬や中型犬に比べて体が大きい分、動き回るだけでも広さが必要になります。

部屋の中で少し歩くだけでも場所を取ってしまうため、最低限リビングには広めのスペースがあると理想的です。

また、大型犬は足腰の健康を維持するためにもフローリング対策が欠かせません。

滑りやすい床は関節に負担をかけやすく、ケガや病気の原因になりやすいので、カーペットや滑り止めマットを敷いてあげると安心です。

さらに、可能であれば庭やベランダなど外に出られるスペースを用意してあげましょう。

日光浴や軽い運動はストレス解消にもつながります。

マンションやアパートに住んでいる場合でも、毎日の散歩で十分な運動量を確保することで問題はありませんが、やはり屋外に自由に出られる環境は大型犬にとって大きな魅力です。

最後に、近隣への配慮も重要です。

大型犬は吠える声も大きいため、防音対策やトレーニングを行い、トラブルを防ぐ工夫が必要になります。

食費や医療費などの維持費

大型犬を飼ううえで必ず考えておきたいのが、毎月の維持費です。

体が大きい分、フードや医療にかかる費用も小型犬とは桁違いになります。

大型犬は1日の食事量が多く、成犬になると1日あたり300〜500g前後のドッグフードを必要とすることもあります。

プレミアムフードを選ぶと、月に1万〜2万円ほどの出費になるケースも珍しくありません。

さらにおやつや栄養補助食品を与える場合、その分のコストも上乗せされます。

また、体が大きい分、薬の量や検査費用も高くなるのが大型犬の特徴です。

予防接種やフィラリア予防薬、ノミダニ駆除などの基本的なケアだけでも年間数万円は必要になります。

大型犬は関節疾患や心臓病、ガンなどにかかりやすい犬種も多く、シニア期に入ると治療費が数十万円単位になることもあります。

費用	説明
トリミング代	大型犬は全身シャンプーやカットに時間がかかるため、1回1万円以上することもあります。
ペット保険	高額な治療に備えて加入する飼い主も多く、月額3,000〜7,000円程度。
グッズ代	首輪・リード・ベッドも大型犬用は頑丈な作りが必要で、初期費用がかさみやすいです。

毎日の運動量としつけの重要性

大型犬と暮らす上で避けて通れないのが、十分な運動量の確保としっかりとしたしつけです。

体の大きさゆえに、これを怠ると犬自身の健康はもちろん、飼い主や周囲にとっても大きな負担になってしまいます。

多くの大型犬は、元々猟犬や作業犬として活躍してきた歴史を持ち、非常にエネルギッシュです。

そのため、1日30分程度の散歩では物足りず、朝夕2回以上・合計1〜2時間ほどの運動が理想とされています。

これらを取り入れることで、ストレスの発散や肥満防止につながります。

逆に運動不足は、問題行動（無駄吠え・破壊行動）や健康リスク（肥満・関節疾患）の原因となるため要注意です。

大型犬は体が大きく力も強いため、小型犬では許される行動も事故につながる可能性があります。

例えば、散歩中に興奮して飛びついたり引っ張ったりすると、飼い主が転倒したり、周囲の人にケガをさせてしまう危険もあります。

そのため、子犬のうちから以下のような基本的なしつけを徹底することが大切です。

これらを繰り返し行うことで、飼い主と犬の信頼関係が強まり、安心して一緒に暮らせるようになります。

長時間の留守番が苦手

大型犬は体が大きく堂々としていますが、実はとても甘えん坊で寂しがりやな一面を持っています。

飼い主と一緒に過ごす時間を何より大切にするため、長時間の留守番は大きなストレスになりやすいのです。

特にゴールデン・レトリバーやラブラドールなどの家庭犬向きの犬種は、飼い主への依存心が強い傾向があります。

「強い不安から吠え続ける」「家具をかじったり物を壊す」「トイレの失敗が増える」といった分離不安の症状が出てしまうこともあります。

どうしても仕事や外出で留守にする時間ができる場合は、以下の工夫で犬の不安を和らげることができます。

また、ペットカメラを設置すれば、外出先から犬の様子を見守ることもでき、飼い主の安心にもつながります。

大型犬おすすめ犬種10選

大型犬と一口に言っても、その種類や性格、特徴はさまざまです。

穏やかで家庭向きの犬種もいれば、警戒心が強く頼れる番犬タイプ、またはアクティブなアウトドアライフにぴったりな犬種もいます。

ここでは、特に人気が高く家庭でも飼いやすい大型犬おすすめ犬種10選を厳選してご紹介します。

それぞれの犬種ごとに、性格・特徴・飼いやすさのポイントをまとめていますので、ぜひ自分や家族のライフスタイルに合うパートナーを見つける参考にしてください。

ゴールデン・レトリバー

項目	内容
犬種	ゴールデン・レトリバー
原産国	イギリス
性格	穏やか・友好的・賢い
価格帯	20〜40万円
おすすめ度	★★★★★

ゴールデン・レトリバーは、世界中で高い人気を誇る大型犬の代表格です。穏やかで優しい性格を持ち、子どもや他のペットとも仲良くできるため、家庭犬として理想的な存在といえるでしょう。

とても友好的で社交的な性格をしており、人との触れ合いを好みます。飼い主に対する忠誠心が強く、しつけにもよく反応するため初心者にも飼いやすい犬種です。また、忍耐強く温厚なので、子どもの遊び相手としても安心できる存在です。

成犬になると体重は25〜34kg前後、体高は55〜60cm前後になる大型犬です。元々は狩猟犬として活躍していたため、運動欲求は高めで、1日1〜2時間の散歩やボール遊び、アウトドア活動などが欠かせません。運動不足はストレスや肥満につながるため注意が必要です。

知能が高く学習能力に優れているため、基本的なしつけを習得するのは比較的容易です。訓練性の高さから、盲導犬や介助犬としても広く活躍しています。一方で、人懐っこさゆえに長時間の留守番は苦手なので、できるだけ一緒に過ごす時間を確保できる家庭に向いています。

美しい長毛の被毛を持っていますが、抜け毛が多い犬種としても知られています。特に換毛期には大量に毛が抜けるため、ブラッシングは毎日行うのが理想です。皮膚病予防のためにも定期的なシャンプーが欠かせません。

一般的な寿命は10〜12年ほど。大型犬特有の関節疾患（股関節形成不全など）や心臓病に注意が必要です。健康を維持するためには、体重管理と定期的な健康診断が大切です。

ラブラドール・レトリバー

項目	内容
犬種	ラブラドール・レトリバー
原産国	カナダ
性格	明るい・忠実・活発
価格帯	15〜35万円
おすすめ度	★★★★★

ラブラドール・レトリバーは、世界的に有名な大型犬で、明るく活発で人懐っこい性格が魅力です。家庭犬としてはもちろん、盲導犬や介助犬、警察犬など幅広い分野で活躍しており、その賢さと忠実さから多くの人々に愛されています。

ラブラドールは、社交的で穏やかな性格を持ち、家族への愛情が深い犬種です。飼い主への忠誠心も非常に強く、子どもやお年寄りとも安心して暮らすことができます。また、遊び好きで陽気なため、一緒に暮らすだけで家庭が明るくなるような存在です。

ただし、食欲旺盛でイタズラ好きな一面もあるため、フード管理やしつけをしっかり行うことが大切です。

成犬になると体重は25〜36kg前後、体高は55〜62cmほど。筋肉質で引き締まった体を持ち、運動能力に優れています。もともと水辺での回収作業（レトリーブ）を得意とする犬種なので、水遊びも大好きです。

運動量は多く、毎日1〜2時間程度の散歩や運動が必要です。ドッグランやフリスビーなどのアクティビティを取り入れると、ストレス解消にもつながります。

ラブラドールは非常に賢く学習能力が高いため、初心者でも比較的しつけやすい犬種です。そのため、盲導犬・介助犬・セラピードッグとしても多く利用されています。ただし、活発な性格ゆえに運動不足になると落ち着きがなくなったり、イタズラが増えることもあるため、日常的にしっかりと運動の時間を確保できる家庭に向いています。

短毛でダブルコートの被毛を持つため、見た目以上に抜け毛が多い犬種です。週2〜3回のブラッシングで十分ですが、換毛期には毎日のお手入れが望ましいでしょう。水遊びを好むため、濡れた後はしっかり乾かして皮膚トラブルを防ぐことも大切です。

寿命は10〜12年ほどとされ、大型犬の中では比較的安定しています。ただし、肥満になりやすいため食事管理は必須です。また、股関節形成不全や肘関節の病気など、大型犬に多い関節疾患に注意が必要です。

ジャーマン・シェパード

項目	内容
犬種	ジャーマン・シェパード
原産国	ドイツ
性格	勇敢・賢い・忠実
価格帯	20〜50万円
おすすめ度	★★★★☆

ジャーマン・シェパードは、知性と勇敢さを兼ね備えた世界的に有名な大型犬です。警察犬・軍用犬・災害救助犬としても活躍しており、作業能力の高さは犬種の中でも群を抜いています。その反面、しっかりとしたしつけと主従関係が必要で、経験のある飼い主に特に向いている犬種です。

ジャーマン・シェパードは、飼い主に対して非常に忠実で、強い絆を築くことができます。勇敢で冷静沈着な性格を持ち、頼もしい存在として家族を守ってくれるでしょう。

ただし、警戒心が強く、防衛本能も高いため、他人や他の犬に対しては距離を置くことがあります。そのため、幼少期からの社会化トレーニングは必須です。適切に育てれば、家庭でも落ち着いたパートナーになり得ます。

成犬になると体重は30〜40kg前後、体高は55〜65cmほど。がっしりとした骨格と筋肉質の体を持ち、非常に運動能力が高い犬種です。

毎日1日2時間以上の散歩や運動が必要で、単なる散歩だけでは物足りません。アジリティや訓練、頭を使うゲームなどを取り入れることで、精神面・体力面の両方を満たしてあげることが重要です。

賢く訓練性能が高いため、正しい方法でしつければ非常に頼れるパートナーになります。ただし、独立心や警戒心が強いことから、初心者よりも中級〜上級者向けの犬種といえるでしょう。信頼関係をしっかり築ける飼い主にとっては、最高の相棒になります。

被毛はダブルコートで、春と秋の換毛期には大量の毛が抜けます。週2〜3回のブラッシングが必要で、換毛期は毎日行うのが望ましいでしょう。体臭は少ない犬種ですが、抜け毛対策は必須です。

寿命は9〜13年ほど。大型犬に多い股関節形成不全や肘関節の異常に注意が必要です。また、活動的な性格のため、関節や腰に負担をかけすぎないように配慮が求められます。

シベリアン・ハスキー

項目	内容
犬種	シベリアン・ハスキー
原産国	ロシア
性格	フレンドリー・社交的
価格帯	15〜40万円
おすすめ度	★★★★☆

シベリアン・ハスキーは、オオカミのような外見と美しいブルーやグレーの瞳で人々を魅了する大型犬です。もともとは極寒の地シベリアでソリ犬として活躍してきた歴史を持ち、抜群の体力と持久力を誇ります。見た目はクールで迫力がありますが、性格は意外にもフレンドリーで愛嬌たっぷり。家庭犬としても人気の高い犬種です。

シベリアン・ハスキーは、明るく社交的で人懐っこい性格をしています。攻撃性が少なく、他の犬や子どもとも仲良くできるため、多頭飼いやファミリーにも向いています。

ただし、独立心が強い一面もあり、マイペースに行動することがあるため、しつけには少し工夫が必要です。飼い主の言うことを常に聞くタイプではないため、根気よく繰り返し教えることが重要です。

成犬の体重は20〜27kg前後、体高は50〜60cm前後と大型犬の中ではややスリムな体格です。もともと長距離を走るために改良された犬種なので、非常に多くの運動量を必要とします。

1日最低でも1〜2時間の散歩やランニングが必要で、可能であればドッグランなど広い場所で自由に走らせてあげると良いでしょう。運動不足になるとストレスが溜まり、家具を壊すなどの問題行動につながることもあります。

シベリアン・ハスキーは、フレンドリーな性格で攻撃性が少ないため家庭向きですが、初心者には少し難易度が高い犬種といえます。理由は、運動量の多さと頑固さ、そして「吠える」というより「遠吠え」をする習性があるため、集合住宅などでは騒音トラブルに繋がる可能性があるからです。

広いスペースを確保でき、毎日しっかりと運動に付き合える飼い主に向いています。

被毛は厚いダブルコートで、冬には寒さに強く快適に過ごせますが、日本の夏は苦手です。エアコンを利用して温度管理を徹底する必要があります。換毛期には大量に毛が抜けるため、毎日のブラッシングが必須です。

寿命は12〜15年ほどと、大型犬としては比較的長めです。ただし、遺伝的に白内障や股関節形成不全などの病気に注意が必要です。暑さに弱いため、熱中症対策も欠かせません。

バーニーズ・マウンテン・ドッグ

項目	内容
犬種	バーニーズ・マウンテン・ドッグ
原産国	スイス
性格	温厚・愛情深い
価格帯	25〜50万円
おすすめ度	★★★☆☆

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、スイス原産の大型犬で、アルプスの山岳地帯で牧畜犬や荷物運搬犬として活躍してきました。大きな体と美しいトライカラーの被毛が特徴で、その優雅な姿は多くの人を魅了します。見た目の迫力とは裏腹に、穏やかで愛情深い性格を持ち、家庭犬としても高い人気を誇ります。

バーニーズは、落ち着いた温厚な性格を持ち、家族への愛情がとても深い犬種です。子どもや他の動物に対しても優しく接するため、ファミリー向きの犬として知られています。特に、家族に寄り添い安心感を与える能力に長けており、癒しを求める家庭にはぴったりです。

ただし、警戒心も持ち合わせているため、見知らぬ人に対してはやや慎重に接することがあります。そのため、早い段階での社会化トレーニングが重要になります。

成犬の体重は35〜55kg前後、体高は58〜70cmと堂々とした体格を誇ります。体は大きいものの、激しい運動を必要とする犬種ではなく、適度な散歩や遊びで十分に満足します。ただし、体重が重いため、関節に負担がかかりやすく、過度な運動は避けた方がよいでしょう。

性格が穏やかで飼い主に従順なため、しつけは比較的しやすい犬種です。大型犬にありがちな「力で引っ張られる」心配も少なく、初心者でも扱いやすい部類といえます。

ただし、暑さに弱いので日本の夏は注意が必要です。室内ではエアコン管理を徹底し、熱中症にならないよう配慮する必要があります。また、大型犬ゆえに食費や医療費などの維持費は高めになります。

美しい被毛は長毛でダブルコート。抜け毛が多く、特に換毛期は大量に毛が抜けるため、毎日のブラッシングが欠かせません。毛玉防止や皮膚病予防のためにも、定期的なシャンプーと手入れが必要です。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命は7〜9年と、大型犬の中でも短めです。遺伝的にがんや関節疾患にかかりやすい傾向があるため、定期的な健康診断と体重管理が重要です。愛情を持って丁寧にケアしてあげることで、できるだけ長く健康に過ごすことができます。

グレート・ピレニーズ

項目	内容
犬種	グレート・ピレニーズ
原産国	フランス
性格	穏やか・家族思い
価格帯	20〜45万円
おすすめ度	★★★☆☆

グレート・ピレニーズは、フランスとスペインにまたがるピレネー山脈原産の大型犬で、かつては羊や家畜をオオカミや熊から守る護衛犬（番犬）として活躍してきました。真っ白でふわふわの被毛と堂々とした姿はまるで雪山の守護神のようで、その美しさと頼もしさから「白い巨人」とも呼ばれています。

グレート・ピレニーズは、穏やかで落ち着きがあり、家族への愛情が深い犬種です。特に飼い主や子どもに対して優しく寄り添う姿は、家庭犬としての大きな魅力といえます。

一方で、護衛犬としての本能が強く、警戒心が非常に高いため、見知らぬ人や動物に対しては吠えることがあります。そのため、社会化トレーニングをしっかり行い、他人や他の犬に慣れさせておくことが大切です。

成犬の体重は40〜60kg以上、体高は65〜80cmと超大型犬の部類に入ります。体格は大きいですが、運動量は中程度で、毎日1時間前後の散歩や庭でのびのび遊ぶ程度で満足します。もともと山岳地帯で番犬として働いていたため、体力はあるものの、激しい運動を必要とするタイプではありません。

家族に対しては優しく愛情深いものの、警戒心の強さや頑固さから、初心者には少し難易度が高い犬種です。毅然とした態度で接し、リーダーシップを示せる飼い主に向いています。また、その巨体ゆえに食費や医療費などの維持費はかなり高めになることを理解しておく必要があります。

グレート・ピレニーズは、厚い長毛のダブルコートに覆われています。抜け毛が非常に多く、特に換毛期には大量の毛が抜けるため、毎日のブラッシングは必須です。さらに、被毛は汚れが付きやすいため、定期的なシャンプーも欠かせません。

また、日本の夏は暑さに弱いため、エアコンで室内温度を管理し、熱中症を防ぐことが重要です。

寿命は10〜12年ほど。大型犬特有の股関節形成不全や胃捻転などの病気に注意が必要です。体が大きいため関節に負担がかかりやすく、肥満にならないよう食事管理を徹底することが健康維持の鍵となります。

ドーベルマン

項目	内容
犬種	ドーベルマン
原産国	ドイツ
性格	勇敢・警戒心が強い
価格帯	20〜40万円
おすすめ度	★★★☆☆

ドーベルマンは、19世紀にドイツで番犬や護衛犬として改良された犬種です。引き締まった筋肉質の体と精悍な顔立ちはまさに「ガードマン犬」といった雰囲気で、世界中で警護犬・軍用犬・警察犬として活躍してきました。気品と力強さを兼ね備えたスタイリッシュな大型犬として、愛好家に根強い人気があります。

ドーベルマンは、勇敢で警戒心が強く、非常に忠実な性格を持っています。飼い主や家族に対しては深い愛情を注ぎ、頼れる存在になりますが、その分他人や見知らぬ犬に対しては警戒心を示すことがあります。

適切にしつけを行えば従順で賢いパートナーになりますが、未経験者には少し難しい犬種といえるでしょう。毅然とした態度でリーダーシップを発揮できる飼い主に向いています。

成犬の体重は30〜40kg、体高は60〜70cmほどで、筋肉質でスリムな体格をしています。非常にエネルギッシュで体力があり、毎日2時間以上の運動が必要です。散歩だけでなく、ランニングやアジリティなどを取り入れることで、体力と知能をバランスよく発揮させることができます。

賢く訓練性が高いため、正しく育てれば非常に優れた家庭犬・番犬になります。ただし、初心者や運動不足の家庭には不向きです。しっかりと時間を割いてしつけと運動に取り組める人にこそ向いている犬種といえるでしょう。適切に接すれば家族に対して非常に優しい一面を見せ、頼れるパートナーとなります。

被毛は短毛でお手入れは簡単ですが、抜け毛は意外と多いので定期的なブラッシングは必要です。皮膚がデリケートなため、シャンプーは頻繁に行わず、清潔な環境を維持することが大切です。また寒さに弱いため、冬は洋服や室内飼育が基本となります。

寿命は10〜13年ほど。大型犬に多い心臓病（拡張型心筋症）や関節疾患に注意が必要です。また、活発な性格のためケガをしやすい面もあるので、日常の健康チェックを欠かさないことが大切です。

アイリッシュ・セッター

項目	内容
犬種	アイリッシュ・セッター
原産国	アイルランド
性格	明るい・活発・遊び好き
価格帯	15〜35万円
おすすめ度	★★★☆☆

アイリッシュ・セッターは、アイルランド原産の大型犬で、鮮やかな赤褐色の被毛とスリムで優雅な体型が特徴です。その美しい見た目から「レッド・セッター」とも呼ばれ、世界中で愛好家が多い犬種です。猟犬として鳥猟に活躍してきた歴史を持ち、活発でエネルギッシュな性格をしています。

アイリッシュ・セッターは、明るく陽気で遊び好きな性格を持ち、家族や子どもと一緒に楽しむことが得意です。人懐っこくフレンドリーなため、多くの人に愛される家庭犬となります。
一方で、好奇心旺盛で落ち着きがない面もあるため、しつけには時間と根気が必要です。ただし、賢い犬種なので一貫したルールを持って接すれば、徐々に落ち着いて従うようになります。

成犬の体重は25〜34kg前後、体高は60〜70cm前後。スリムでバランスの良い体格を持ち、走ることに特化した犬種です。

運動量は非常に多く、毎日2時間以上の散歩やランニングが必要です。ドッグランでの自由運動やフリスビー、アジリティなどのアクティビティも取り入れることで、本来のエネルギーを発揮できます。

性格はフレンドリーで人間好きですが、落ち着きが出るまで時間がかかるため、初心者にはやや難易度が高い犬種といえます。十分な運動量を確保でき、積極的に犬と遊べる家庭にはぴったりです。逆に、運動不足や留守番が多い環境ではストレスから問題行動につながることもあります。

美しい長毛は絡まりやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。毛玉の防止や皮膚の健康を保つためにも、定期的な手入れが必要です。また、耳が垂れているため通気性が悪く、耳のトラブル（外耳炎）に注意が必要です。

寿命は12〜15年と大型犬としては長めです。遺伝的に股関節形成不全やてんかんに注意が必要ですが、健康的な生活環境を整えれば比較的長寿を期待できます。

ボルゾイ

項目	内容
犬種	ボルゾイ
原産国	ロシア
性格	おっとり・優雅
価格帯	25〜60万円
おすすめ度	★★★☆☆

ボルゾイはロシア原産の大型犬で、かつては貴族に愛され、オオカミ狩りに使われてきた歴史を持ちます。スリムで背の高い体型と、流れるように長い被毛が特徴で、その姿はまるで貴族のように優雅で気品あふれる存在です。別名「ロシアン・ウルフハウンド」とも呼ばれ、世界中で美しさと独特の雰囲気から人気を集めています。

見た目の気品とは裏腹に、ボルゾイはおっとりとした穏やかな性格をしています。家庭内では静かに過ごすことが多く、無駄吠えも少ないため、落ち着いた生活スタイルに向いています。

一方で、狩猟犬としての本能を持ち合わせており、動くものを追いかけたくなる習性があります。そのため、散歩中に小動物や走っている犬を見て急に走り出すことがあるので注意が必要です。

成犬の体重は30〜45kg前後、体高は70〜85cmと大型犬の中でも特に背が高いのが特徴です。見た目は細身で優雅ですが、走るスピードと持久力は抜群で、走る姿は圧倒的な美しさを誇ります。

運動量としては毎日1時間以上の散歩と、定期的に自由に走れる環境が理想です。狭い場所ではストレスが溜まりやすいため、ドッグランや広い庭などを活用すると良いでしょう。

ボルゾイは静かで落ち着いた性格から家庭犬に向いていますが、初心者には少し難しい犬種です。理由は、狩猟本能が強いため、しつけが不十分だと散歩中の引っ張りや脱走につながりやすいからです。毅然とした態度で主従関係を築ける飼い主であれば、優雅で忠実なパートナーになります。

被毛は長毛でシルキーな質感が特徴的です。絡まりやすいため、週3〜4回以上のブラッシングが必要です。特に胸やお腹、耳の後ろは毛玉になりやすい部分なので注意しましょう。被毛は汚れにくい性質を持っていますが、定期的なシャンプーで清潔を保つことが望ましいです。

寿命は10〜12年ほど。大型犬特有の股関節形成不全や胃捻転に加えて、心臓疾患にも注意が必要です。細身の体型から体重管理は比較的しやすいですが、急激な運動は関節に負担をかけるため、運動は適度にコントロールすることが大切です。

秋田犬

項目	内容
犬種	秋田犬
原産国	日本
性格	忠実・独立心が強い
価格帯	15〜40万円
おすすめ度	★★★★☆

秋田犬（あきたいぬ）は、日本を代表する大型犬で、国の天然記念物にも指定されている誇り高い犬種です。力強くがっしりとした体格と、独特の凛々しい顔立ちが特徴で、海外でも「HACHI」の映画で知られるようになり、一躍世界的に人気を集めました。忠実さと勇敢さを兼ね備え、昔から猟犬や番犬として人々に寄り添ってきた歴史を持ちます。

秋田犬は、飼い主に対して非常に忠実で勇敢な性格をしています。家族を守る意識が強く、強い信頼関係を築ければ、一生涯変わらない愛情を注いでくれるでしょう。無口で落ち着いた一面があり、家庭内では静かに過ごすことが多いです。

一方で、独立心が強く頑固な性格も持ち合わせています。他人や他の犬に対して警戒心を示すことがあるため、子犬のうちからの社会化トレーニングが欠かせません。

成犬の体重は30〜50kg前後、体高は58〜70cmほど。しっかりとした筋肉質の体を持ち、力強さにあふれています。

運動量は多めで、毎日1〜2時間程度の散歩や運動が必要です。ボール遊びや軽いランニングなどを取り入れて、エネルギーを発散させてあげると良いでしょう。

秋田犬は従順な一面がある一方で、頑固な性格や強い警戒心から、初心者には少し難易度が高い犬種です。毅然とした態度で接し、主従関係を明確に築ける飼い主に向いています。家族に対してはとても優しく愛情深いため、経験者や落ち着いた環境を用意できる人におすすめです。

秋田犬の被毛は厚いダブルコートで、寒さには強い反面、抜け毛が非常に多い犬種です。特に春と秋の換毛期には毎日のブラッシングが欠かせません。皮膚が蒸れやすいため、清潔を保つことが大切です。また、日本の夏は暑さに弱いため、エアコンによる温度管理が必要です。

寿命は10〜13年ほど。大型犬に多い股関節形成不全や胃捻転に加え、甲状腺機能低下症などの病気にも注意が必要です。体格が大きいため、若い頃から適度な運動と食事管理を行い、肥満を防ぐことが健康維持の鍵となります。

大型犬を選ぶときのポイント

大型犬はその存在感や頼もしさから、多くの人が憧れるパートナーです。

しかし、犬種によって性格や必要な運動量、飼育環境に大きな違いがあります。

ここでは、失敗しないために知っておきたい「大型犬選びのポイント」を解説します。

性格は家庭やライフスタイルに合うか？

大型犬を選ぶうえで最も大切なのは、その犬種の性格が自分や家族のライフスタイルに合っているかどうかという点です。

大型犬は体格が大きく力も強いため、性格的な相性が合わないと毎日の暮らしが大変になってしまうこともあります。

性格	犬種	ライフスタイル
フレンドリーで社交的な犬種	ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー	子どもがいる家庭や多頭飼いに向いています。
勇敢で警戒心が強い犬種	ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、秋田犬	毅然とした態度で主従関係を築ける飼い主に向いています。
おっとりした性格の犬種	バーニーズ・マウンテン・ドッグ、グレート・ピレニーズ、ボルゾイ	穏やかな暮らしを求める家庭にぴったり。
好奇心旺盛で活発な犬種	シベリアン・ハスキー、アイリッシュ・セッター	アウトドアやスポーツが好きなアクティブな飼い主に最適。

家庭環境（子どもの有無、留守の時間、生活リズム）や自分のライフスタイル（アウトドア派か、穏やかに暮らしたいか）を考えたうえで、犬種を選ぶことがとても大切です。

運動量と飼い主の活動量のバランス

大型犬を飼う上で欠かせないのが、犬の運動量と飼い主自身のライフスタイルとのバランスです。

大型犬は小型犬に比べて体力があり、運動欲求も強いため、十分に体を動かせないとストレスや問題行動につながってしまいます。

シベリアン・ハスキーやアイリッシュ・セッターなどは、毎日2時間以上の散歩や運動を必要とします。

ドッグランや広い公園で自由に走らせたり、飼い主と一緒にジョギングやサイクリングをすることで満足感を得られます。

アウトドア好きやアクティブな生活をしている家庭にぴったりの犬種です。

バーニーズ・マウンテン・ドッグやグレート・ピレニーズのように、激しい運動を必要としない穏やかなタイプもいます。

毎日1時間程度の散歩や軽い遊びで十分に満足でき、落ち着いた暮らしを好む飼い主に向いています。

ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーは、フレンドリーで運動も大好きですが、家庭での暮らしにもしっかり馴染める犬種です。

朝夕の散歩と休日のアウトドア遊びを組み合わせると、犬も飼い主も楽しく健康的に過ごせます。

飼育環境（スペース・住まい・近隣環境）

大型犬はその体格から、小型犬や中型犬に比べて生活環境に大きな配慮が必要です。

広さだけでなく、住まいや周囲の環境が犬にとって快適であるかをしっかり確認しておきましょう。

大型犬は体が大きいため、リビングや廊下などで十分に動ける広さが必要です。

成犬になると30〜50kgを超える犬種も多く、狭い部屋ではストレスが溜まりやすくなります。

庭やベランダがあると、大型犬にとっては大きなメリットです。

日光浴や軽い運動ができ、精神的にも安定しやすくなります。

ただし、庭がなくても毎日の散歩やドッグラン通いで十分に運動量を補うことは可能です。

まとめ｜自分に合った大型犬を選ぼう

大型犬は、その頼もしさ・愛情深さ・存在感で、飼い主の生活を豊かにしてくれる最高のパートナーです。

しかし、犬種ごとに性格や必要な運動量、健康リスクや維持費などが異なるため、家庭環境やライフスタイルに合った犬を選ぶことが大切です。

タイプ	犬種
家族向きでフレンドリーな犬種	ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー
勇敢で頼れる護衛犬タイプ	ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、秋田犬
穏やかで落ち着いた家庭犬タイプ	バーニーズ・マウンテン・ドッグ、グレート・ピレニーズ、ボルゾイ
アクティブ派にぴったりな犬種	シベリアン・ハスキー、アイリッシュ・セッター

どの犬種も魅力的ですが、「自分や家族がどんな暮らしを望むか」を考えた上で選ぶことが、犬と人が幸せに共生するための第一歩です。

大型犬は、小型犬以上にしっかりとした準備と責任が求められます。

その分、得られる愛情や絆の深さは何物にも代えがたいもの。

迎え入れる準備を整え、相性の良い犬種を選べば、一生涯を通してかけがえのないパートナーとなってくれるでしょう。